無料で酔える!
東京駅の大丸では半年に一度「世界の酒とチーズフェスティバル」(通称:酒フェス)という催しが開催されるということを知った。そこでは、無料で世界中のワインが試飲し放題、加えてチーズやハムやパンなどのつまみまで試食し放題で、行く者はみな無料ですっかり酔っぱらえるらしいのだ。これは行かないと、でしょう。
今日一日の私の目標は 「無料で酔い、おなかいっぱい」
である。
なんとも素敵な休日の過ごし方ではありませんか。 酒呑み満載の空間
早速酒ふれーくな友人のIP(仮名)を誘って大丸へ。
エレベーターで8階の催事場へ向かう。
エレベータの扉が開いた瞬間、目の前に広がる一面のワイン。
そして何よりも
「酒くさい・・」
あたり一面で試飲が行われているため、会場全体が酒くさいのだ。東京のデパートの8階が夜の常磐線のような状態になっているなんてだけでもなんだかちょっと期待が持てそうである。
さあ、さっそく試飲しまくるぞー。 |
いきなり酒くさい
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意外と難関。試飲への道
「やっぱりチリワインでしょう」
チリのワインはハズレがなくおいしいと目のつけどころは作者もIPも共通し、
そこの試飲コーナー(と思っているが、実際は売るついでに試飲をさせてくれるのだ。あくまでも)
でウロウロして試飲をさせてもらおうとするのだが、
店員は他の客への説明に熱心で、こちらには目もくれない。
「この1990年のブドウのはなかなか少ないんですよー」
「カベルネ種のはありますか?」
どうも、マニアックな話をできないと試飲へありつけないのか?
「うーむ、チリはあきらめて、他へいこうか」
当初の目論見からすると、そこらじゅうに置いてあるワインを自由にゴクゴク飲める、と想像していたのであるが、どうもそう甘いものではなかったらしい。
それなりに店員に自分の好みを言ってそれに合ったものを出してもらったり、製法とかブドウの品種の話をしながらのみくらべていく、、というシステムのようだ。 |
いいなあ・・ |
タダ飲み成功!
それにしてもどこも人がいっぱいで、店員と話をするのもなかなか大変なのだ。なかなか試飲にありつけずウロウロしていると、比較的空いていたフランスワインの売り場で、ようやく店員と話すことに成功。
「赤?白?どちらをお探しですか?」
「じゃあ、赤を」
わーい、やっと試飲だー。
「あー、飲みやすいですね。しかも安い!」
「仕入れがいいんですよ。
今日しかこの値段で出せないですけどね」
「へー。おいしいおいしい。」 |
やっと飲めるぞ! |
850円くらいのワインだったのだが、値段の割りにはおいしい。しかし、今日は私は無料で飲みにきたのだ。ワインなんて家の目の前のスーパー(酒が充実しているのだ)で買えるし、わざわざここで重い思いをして買っていく必要はない。今日は絶対に買わずに帰るぞ!という決意があるのだ。
何種類が試飲をさせてもらったあと、その場をさりげなく去る。
試飲のコツを覚えてくる
次にイタリアのブースへ。
「どんなかんじのものがお好みですか?」
「赤の、しっかりとした味のものを」
「ではこちらの3種類あたりがいいですね。じゃあ、比較的軽めのものからいきます。」
「あー、飲みやすい」
「じゃあ次こちらを。これはメルロー種のブドウですね。」
「あー、おいしいおいしい!。」
「ではこれ、うちで一番重いやつですね。」
「おー、これは濃厚。でもクセがなくて飲みやすいですよ。」
「男の方はこれ好きですね。」
「ほほー。これおいしい。ちなみに値段は?」
「最初のはこの1600円、2番目のが2300円、最後のこれは3800円ですねー。
でも、この値段は今のフェアでしか出せませんよ。普段はもっとしますね。 」
「ほほー。」
比較して違いを説明されるとちょっと欲しく なってきてしまうが、ぐぐっと我慢。
だんだんわかってきたのだが、 試飲させてもらうためには、ちょっと知ってるかんじに話すと、どんどん試飲させてくれる様子だ。だんだんコツがわかってきたぞ。
再度チリワインブースへ挑戦
何箇所か回っているうちに店員との話方のコツもつかめて自信がついてきたところで、チリの売り場へ挑む。
今度は、店員との話の仕方を学んだので、試飲に成功!
「赤の、味のしっかりしたものを」(言うこと同じなんだけど)
「じゃあ、こちらとこちらを呑み比べてみてください」
「あっ、さっぱりしてますね」
「こちらは?」
「なんか、ちょっと濃厚。でも味がある。」
「後の方のは、樽で熟成させているんで、樽の味がしみついてるんですね」
「へーえ!。私、これ好きだなー」
「それの白がこちらですね」
IPはこの白が気に入ったらしく
「これ買います!」と、試飲するそばから早速購入していた。 |
あこがれのチリワイン! |
「あー、買っちゃってる。まあ、IPが買ってくれるなら私が買わなくても体面保てるからいいか。」
実は私も 2番目の樽仕込みの赤に惹かれていたのだが、理性を保ち、こらえる。
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