宿を探す
宿の予約はとっていなかったので、あらかじめ持ってきていた宿リストに電話をしてみる。
1件目。「いっぱいです。」とのこと。
2件目。「別館で一人14,000円の部屋ならあります」
ううむ。相場として8,000〜10,000円のこころづもりでいたので、ちょっと高い。
「どうする?」 「他かけてみよう」
そして3件め。 「景色は良くなくて、あと狭いんですけど、その部屋でよければあります。」
「狭いってどのくらいですか?」
私の頭の中には3畳くらいのぎゅうぎゅうの部屋の想像が・・・
「6畳です。」
ならぜんぜん平気じゃん。
「お値段は?」
「2食付で6,000円です。バス、トイレ付です。」
おおお、安い。しかもバス、トイレ付き。この値段ならどんなとこでもOK。
ということで、この宿に決定。
川沿いの遊歩道を歩いて御岳駅前のその宿へ向かう。紅葉も良い色に色づいてるし、川の水はめちゃくちゃ透明でキレイだし。ものすごく景色が良い。明日はゆっくりこの景色を見よう。
と歩いているうちに日が暮れてきた。
一泊2食6000円の安さの秘密は?
宿へ到着。玄関を入るとまず狸の剥製が目につく。
けっこう古いが、まあ6000円だし、こんなものであろう。
というか、習性上、「こるほどれが6000円の秘密かー。やられた!」
という、ネタになりそうなことを期待しているところもある。いや、絶対あるはずだ。
部屋へは階段を下の方へけっこう下っていく。
玄関が1階とすると、 B2階の場所まで下る。それでも地下ではない。川沿いの山の傾斜に、上に向かって建てているので、こんなかんじのつくりになるのだ。
|
バス・トイレ付
冷暖房完備
|
「お風呂はこちらです。」
そのドアには「野良猫が入ってきます。ドアは必ず閉めてください。 園主」
の張り紙が。
え?猫が旅館内にうろうろしてるんだろうか?
で、気を抜くとお風呂に猫が入ってきてしまうの?
なかなかすごいところなのかもしれない。
6000円の秘密は猫だらけ屋敷なのか? |
お風呂の入り口。
野良猫が入ってきます。
|
バス・トイレ付のはずが・・・? さて、部屋へ。6畳で、まあ旅館としては広くないのかもしれないが、まあ十分だ。
「まあ、広いとはいえないけど、べつに大丈夫だよね。」
「まあね、4畳半の部屋に7人くらいで寝たことあったしね。」
「まあ、6000円だし。」
「・・・ところで、バス・トイレ付っていってなかったっけ?」
「うーん、言ってたんだけど、ないね。」
「まあ、6000円だから。」
「そうだね」
確かに「バス・トイレ付」と言っていたはずなのだが、そんなものは見当たらない。
「ここだったりして」
押入れらしきフスマを開けてみる。
でも、当然、そこは押入れ。布団がぎっしりと詰まっていた。
「やっぱり無いんだよ」
「6000円だしね」
細かく気になるところがあっても、すべて「6000円だから」
と自分に言い聞かせて疑問を持とうとしなかった。
|
やっぱり押入れ。
|
|