遠くヘ行きたい
遠くへ行きたい
お酒を飲むと、思いもしないところへ行ってしまったりします。
目的地で降りることができずに電車を往復してしまったり、
知らない土地まで行って終電をなくして1泊したり。
そんな、ふらっと出かけるきままな旅の体験談を集めました。

天狗八重洲店から始まる怒濤の16時間
体験者/28才OL
会社帰りの金曜日、天狗八重洲店で飲む。
11:00店を出る。東京駅へ。
12:00津田沼着。定期入れが無い。落としたのかなあ?改札を強硬突破する。 そして、カラオケへ。せまくてあまり踊れなかった。
2:00カラオケ店を出る。そして魚民へ。ここで閉店まで飲みあかす。
5:00魚民閉店。帰る。定期が無いので、切符を買う。
5:30快速電車に乗る。寝る。
6:30起床。そこは成田空港駅。カバンが無い。すこしうろうろしてみるが、無い。 まあ、とりあえず千葉に帰ろうと折り返しの電車に乗る。寝る。
8:30起床。そこは西大井。思いっきり折り返してしまった。 また反対の電車に乗る。今度は千葉行きなので、きっと大丈夫だろう。
9:30起床。ああよかった。やっと千葉に着いた。でもまだ帰れない。 鉄道警察へ行く。カバンをとられたというと、キャッシュカード会社の一覧表を渡してくれて、 電話を貸してくれた。取り調べ室みたいなところでしばらく状況説明していると、 なんと、成田空港に荷物が届いてると連絡が入る。財布もちゃんとあったようだ。 よかった。てことはとられたのではなくて、自分で置いてったのか? 荷物は、成田空港まで取りにいって下さいというので、また成田空港行きの電車にのる。
11:00本日2度目の成田空港。みんな大きいスーツケースを持って楽しそうなのに、 何で私だけ手ぶらで二日酔いのげろげろ状態で2往復もしなきゃなんないんだ。 駅長事務室というところへ行くと、あった!私のカバン。 どこにあったのか、は知りたかったけど、きけなかった。ああ、とにかく良かった。 保険証も入ってたし。そしてまた千葉へ向かう。
12:00千葉着。やっと家に帰れるー。 切符を改札に通すと、ランプがついて通 れず。 駅員のいるところから出ようとすると、駅員が切符を見て、 「これ、5時半入場ってそれから何してたの?」と恐い声で言った。 「あのー、成田空港まで乗り過ごしちゃって。」「成田空港いったの?」 「はあ。」「じゃあ、お金もらいますよ。成田空港は650円。 往復もらっていい?1300円ね」すげー恐い態度でいうので、 悲しくなって、「そんな言い方しなくたって」とつぶやきながら、泣きながら1300円払った。 外はすごく良い天気だったけど、ものすごく頭いたくて眠くて気持ち悪くて、悲しかったので、 カーテンを閉めて夜までずーっと眠った。定期券も、みつかるといいな。
(ybmホームページより抜粋。一部変更あり)
 



三宅島行きの切符で八丈島まで行く方法
体験者/24歳OL

伊豆七島にキャンプに行かないか、と大学時代の友人に誘われたのは、社会人1年目の秋だった。私を誘ったその友人は、大学時代にキャンプのサークルに入っていたのだが、そのOB,OGでキャンプに行くのだという。しかしそこに私を誘ったのは、キャンプが第一目的ではなかったようだ。「あなたと対決させたい人がいるの」。そう言って、彼女は私をそのキャンプに誘ったのである。

そして私はキャンプへ行くことになった。目的地は三宅島。夜の11時に竹芝桟橋を出る東海汽船に乗り、三宅島には翌朝の8時に着く予定である。そして、船に乗り込むやいなや、総勢10人程のキャンプメンバー達は船に持ち込んだビール(ケース)を開け、そして次々に空けていく。私も負けじと、ビールを開ける。ビールが終わると、ウイスキーが出てきた。誰かがリンゴを持ってきたので、それを切ってウイスキーに浮かべる。「リンゴハイだー。」と言って飲む。船の甲板で飲んでいたのだが、みんなその場で次々と寝ていく。私はお酒が入った為、ますます絶好調になる。ふと気がつくと、生き残っているのは、私とYという男だけだった。そう、このYが、友人が私と対決させたがっていた相手だったのだ。確かに強い。私達はもう競うとかの感覚もなかったが、リンゴを浮かべたリンゴハイを、さしつさされつ、流し込んでいった、、、。

目がさめると、船の中。受け付けの脇にゴザが敷いてあり、その上に私は寝ていた。「甲板で飲んでた筈なのに、、、?」よくわからない。時計を見ると、10時。確か、三宅島には8時に着く予定だった筈である。状況を見よう、と立ち上がると、「駄 目!!!そこにいて!!!」と船員さんに怒られたので、またゴザに戻る。しかし、いくら考えても何も思い出せないので、思いきって船員さんに聞いてみた。「あのー。状況がわからないんですけど、、、。」すると船員さんが説明してくれた。「三宅に着いた時、探したんだけどいなくて、みんな先に降りたんだけど、あんた、コンテナに寝てたんだよ。」「コンテナ、、、?!」「今、八丈島だから、この後折り返して三宅島に行くから。1時に着くよ」。なんてことだ、、、。

そして私は、人の殆ど乗っていない船室で横になって八丈に着くのを待つことにした。お腹が空いたが、私の荷物はみんなが持って降りたそうで、お金も無いので何も買うことができないので、じっと我慢する。しかしちょっと寒いあ、と思っていると、「毛布はDデッキ受け付けで貸し出ししております」というアナウンスが流れたので、早速借りにいく。受け付けで「毛布貸して下さい」と言うと、「1枚100円」と言われる。普段なら100円なんてどうってことない金額なのだが、今は無一文なので「じゃあいいです。」と言い、その場を去った。人間、お金がないと何もできないのね。ああ、今私、すごく可哀想だなあ。と、悲しくなる。空腹と寒さに耐えながら、船室でうずくまって寝ていると、「ほら、あの子だよ」という声がする。そして、一人の船員さんがやってきて、「はい」と毛布を渡してくれた。嬉しくて涙が出そうになった。

三宅島に上陸。八丈島から三宅島に降りる人なんて私一人であった。船から橋を渡して、降り立つと、みんなが迎えにきてくれていた。手を振って降り立つ。まるで大統領来日だ(?)。そしてみんなで万歳をする。みんなは、トイレの中とかまで色々探してくれたそうであるが、それでも私が見つからないので、海に落ちたかも、とも思ったようだ。Yの姿もあった。彼は、昨日あれだけ飲んだくせに、この昼間から梅酒の瓶を持って、飲んでいる。しかも相当酔っぱらっている。生まれて初めて「負けた」と思った。

帰りの船に乗っていたのも、同じ船員さん達だった。顔覚えてないといいな、、、そんな筈ないか、などと思いながら、控えめに乗り込んだ。が、背後で「酔っぱらい」という声が聞こえた。改めて私のいたというコンテナを見に行ってみる。「立ち入り禁止」の札があってロープがひいてあり、その奥に大きい重そうなコンテナが沢山置いてあった。なんだかぞっとした。

 



上尾1泊2日の旅
体験者/24歳OL

その日は会社の人達と、天狗北千住店で飲んでいました。11頃まで飲んで店を出て、秋葉原まで日比谷線で行って、そこから私は総武線の黄色い電車に乗る為に皆と別 れました。皆は、私が大丈夫そうだったので、心配はしていなかったそうなのですが、その時点で実はもう記憶がなかったのです。

 そして、気がついた時、私は目の前に来た電車に乗ろうとしていました。しかし、電車に乗ろうと一歩を踏み出した、その足は、電車とホームの間に落ちてしまったのです!!「きゃー!!」と思ったのもつかの間、私は両脇にいたおじさん達に腕をつかまれ、無事、全体が落ちることは免れました。でも膝までは落ちたので、両方のひざ小僧からは血が出ていました。「ああ、痛いなあ。」と思っていると、電車のアナウンスが。「次ぎは上尾〜上尾〜。」「上尾?!、、、???、、、って、どこだ?」その時、私は上尾という知名を知らなかったので、今自分がどんな状態にあるのかわかりませんでした。そこで路線図を必死に探すと、どうやら、大宮の先の場所らしいのです。ともかく、このまま乗り続けているととんでもなく遠くまで連れていかれてしまいそうなので、その上尾で降りることにしました。

 上尾で降りて、下りの電車を探して、ホームをふらふらしていると、電気が消えてしまいました。そして、駅員さんが来て、「もう電車終わりだから出て」と言いました。仕方がなく、私は改札を出ました。駅前にホテルか何かあるだろうと思ったら、そこは見事に何も無い、暗い町でした。せめて大宮で気がつけば良かった、とちょっと後悔しました。こうなったら、ファミレスで夜をあかそう、と決め、タクシーに乗り、「一番近いファミレスへ」と言いました。すると何と、車で1分もかからないところにジョナサンがありました。そんなに近いなら歩いたのに!運転手の馬鹿!と思いましたが、私も足から血流してるし、けっこう馬鹿っぽいので言いませんでした。

 それにしても、どうしてこんなことになってしまったのか、全く不思議です。秋葉原から乗り換えたことは確かなのですが、日比谷線からJRに行くと、本来乗るべき総武線のホームにまっ先に行ってしまう筈なのですが、それをわざわざ越えて、多分京浜東北線に乗っているんです。そして更に大宮から高崎線に乗り換えた様子?!一体その間、私の思考回路で何が起っていたのでしょう?!

 そして私はコーヒーを何杯もおかわりしながら、朝4時まで時間を潰しました。もう始発があるかと思ったら、始発は5時頃まで無いようでした。なので、他で時間を潰そうと思ったのですが、朝になってもやはり上尾の町は何もなくて、仕方が無いので、コンビニでパンを買って朝ごはんを食べながら始発を待ちました。

 始発で行ったので、勿論会社には誰よりも早く出勤。しかしストッキングはぼろぼろで、膝は血だらけ、傷だらけでした。

 

 

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sake