貸切しかないお風呂
食事の前にお風呂に入ることにする。さっきの張り紙のあるドアを開けてみると、そこは外だった。
そして下へ降りていく階段が。野良猫が入ってくるのは、外から旅館に入ってきてしまう、ってことだったのか。
階段を下りていくと、独立した建物が。そこがお風呂らしい。
「男湯とか女湯とか区別ないの?」
「混浴?」
「鍵かけて、家族風呂なの?」
でも周りを見てもこの一つしかないし、きっと早いもの勝ちでこのお風呂だけなのだ。鍵をかけて、お風呂に入る。
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森の中を階段を下りて
お風呂へいく。
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「お風呂、6時から9時って言ってたよね。 」
「下手すると入れない人いるんじゃないの?」
「早く入っておいてよかったね。」
貸切なのはいいけど、これだけではきっとお風呂の取り合いになりそうだ。
そんな心配をしつつ、シャワーを出そうとするが、お湯が出ない。 いつまでたっても水だ。
仕方がないので、湯船から直接洗面器でお湯を汲んで髪を洗ったりする。
「なんでお湯が出ないんだろう」
「まだ早すぎたのかな」
「まあ、6000円だし。」
なんでも「6000円だし」で解決してしまうわたしたち。
湯上りにビールを飲む。持ち込み禁止って書いてあって、冷蔵庫もなかったけど、こっそり買ってきて、窓のそばにおいて冷やしておいたのだ。
「なんか、私、耳に水が入ってる。プールのあとみたい。別に泳いだりしてないのに」
「洗面器でバシャーって水かけてたからだよ」
「そうかー。。。」
しかし、さっきのお風呂といい、微妙に気になるところはあるにせよ、いまいちパンチのあるネタにはいきつかない。こんなものなのか? |
湯上りの一杯。
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まざらない鍋
さて、夕食。
大広間にて。鮎や、豆腐や山の幸と、お膳に乗り切らないほどたくさんの食事。まあ、6000円の宿の食事にしては豪華である。食事がものすごいことになっていたらどうしよう、と思ったけど、別にまともだ。
旅館によくある、小さいなべに火をかけてぐつぐつ煮るやつ。例にもれず、ここにもそれがあった。中を見ると、味噌がふちにびっちりついていて、キャベツと、鴨が盛ってある。ところがこれ、火が消えてもできあがりの状態に見えない。味噌が大量なのだが、これを全部混ぜてしまうと味が濃すぎると思われる。キャベツ、鴨、味噌の3つがどれもこれもうまく混ぜ合わず、単独の味にしかならないのだ。なんだかこれは最後まで完成形がどうなのかわからないまま終わってしまった。
これはなんだかよくわからなかったけど、でもまあ、やはり気になり具合は微妙なままだ。文句をいうほどひどい事態にはなかなかならない。 |
写真だと伝わりにくいですが、
味噌、キャベツ、鴨が
混ざっていません。
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