スキーの宿と思えば・・
食後部屋に戻ってくると、入り口のところにテーブルと座椅子が出されていた。そして6畳の部屋にぎっしりと布団がひかれていた。
「確かに布団でいっぱいになっちゃうね」
「でも、ここ、外に定員3名って書いてあったよ」
「3人の場合、あと一人どこに寝るんだ?」
「場所無いよね。 そこの玄関みたいなとこ?」
食後にお土産で買ってきた沢の井大辛口を飲もうとしたのだが、布団でぎっしりなので、これを折りたたんで端によけて、テーブルを運び込み、飲む。
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部屋でのむ。 |
「ここ、トイレ行くの、ちょっと面倒だよね。」
「寝る前、トイレと歯磨きとコンタクトはずすの、全部まとめて一回で行きたい」
「この階にトイレつけてくれてもいいよね。」
「ねえ、歯磨きとかってどこですればいいのかな」
「食堂の前にあった流しじゃない?」
「スキーの宿ってかんじだね。」
「まあ、そう考えれば6000円だし、別に普通なのかな」
部屋にトイレが無いのはいいとしても、トイレに行くには階段を一つあがらなければいけないのでけっこう面倒なのだ。
なので、あまりトイレに行かなくて済むよう、ビールも1本で我慢したり、水まわりの用事を一気に片付けたりという工夫が必要。しかしまあ、6000円だし。
「トイレの電気って、言われてはいないけど、毎回ちゃんと消して、節電にご協力しちゃってるよね」
「毎回ちゃんと消してあるから、ついちゃんと消しちゃうね。ちょっと面倒なんだけど」
「点けっぱなしの人とかいないもんかと思うけど。消えてるしね。」
「でもあれ、つくの遅くて、あれ?付いてないかな?とか確認しちゃう」
IPさん夜中の大冒険
さて、酔いと疲れで早々に22時頃寝てしまったわたしたち。作者は熟睡モードで平和な夜を過ごしたが、IPさんが大変なことに。
IPさんは夜中に目が覚め、トイレに行きたくなってしまったのだ。しかし遠くのトイレに行くのは面倒くさいし、怖い。作者が起きてくれないかと布団をバタバタうるさく音を立ててみたりしたが、ぐっすりと熟睡中の作者は起きる気配がなく、仕方なく一人で闇夜のトイレへ向かうことに。
廊下へ出て見ると、真っ暗!薄明かりすらついていない。
一瞬、我慢して寝てしまおうかとも思うが、我慢するとずっと気になって眠れないかもしれない。意を決して手探りで闇の中を進むIPさん。
「ヘッデン(頭につける懐中電気)持ってくるべきだった・・・」
民宿に泊まっているのに、なぜかキャンプのような装備が必要だというこの状態。
泣きそうになりながら、 ようやくトイレの場所に到達する。
が、当然明りは消えている。
「この辺はスイッチだったような・・」
手探りでスイッチの場所を探す。さすがに毎回電気をきちんとつけたり消したりしていただけあって、大体の場所は記憶している。とはいえ、真っ暗なので、手探りだ。まるでヘレンケラーの役をつかむために目隠しして生活していた北島マヤ(「ガラスの仮面」10巻より)である。
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もう少しで
ヘレンの役がつかめそうです。 |
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